高校生の子供が不登校!この後の進学や就職がどうなってしまうのか。ちゃんと自立して生活出来るようになるのか。親だったら当然不安になってしまう問題だと思います。
この記事では不登校になってしまった高校生のその後の実例紹介と、より良い未来の為に親と子供が出来る事を紹介させていただきます。
不登校の高校生のその後
高校生で不登校になってしまったらその先の大学進学や就職が出来なくなり人生が終わってしまう、なんて思ってしまう人も少なくないと思います。確かに義務教育と違い、高校には卒業に単位というものが必要であり、必要な出席日数もあり、それが足りないと「留年」、後には「退学」という事になってしまいます。退学してしまったら「中卒」という扱いになってしまい、学歴が必要な就職の時に大きく影響してきます。では、実際に不登校になった高校生がその後どういった進路を取ったのか、内閣府が平成20年度に文部科学省の協力で実施した調査を元に見ていきましょう。
この調査は平成21年に郵送によるアンケート方式で実施されたもので、高等学校中途退学者が4年経過した現在の状況として回答したものです。その結果、最も多かったのが「仕事をしている」で47.6%、次いで「仕事にはついておらず、学校にも行っていない」が20.8%、「学校に行っている」が17.3%、「仕事をしながら学校に行っている」が8.3%、「仕事をしながら学校以外の場で勉強している」が4.8%となっています。(出典:内閣府「高校中退者、中学校不登校生徒の「その後」と地域における支援」)
この結果によると、全体の約8割が就職しているか、就学している事になりますので、たとえ中退してしまったとしても多くの場合が引きこもりを続けている訳ではなく、次のステージで頑張っているという事がわかります。もちろん残りの2割の「未就職、未就学」の実例もあるので、何があっても大丈夫とは言えませんが、しっかり向き合って適切な対応していけば不登校は改善し、将来の選択肢も広がっていく、という事が言えると思います。
では不登校になった高校生にどう対応していけばいいか、順を追って解説していきます。
環境を変えることで不登校が改善することも
正しい対応をする為に、まず高校生が不登校になる原因を知っておきましょう。義務教育である小、中学生で不登校になる場合ももちろんありますが、それと違って高校生の場合、「思春期」という多感な時期であることが大きく関わってきます。
まず考えられる原因として「人間関係が合わない」があります。これはクラスメートとの関係もありますが、担任の先生や他の教員などとの関係も含まれてきます。多感な時期であればこそ、些細な言動や行動で大きく傷ついてしまう事もある筈ですし、一度苦手意識を持ってしまうとなかなか改善できなくなってしまう子供も多いです。
また「学校が合わない」という原因も考えられます。義務教育と違い勉強の質が上がってくる高校では、普通に授業を受けているだけではついていけなくなってしまう事も有り得ますし、まして進学校ともなればハイレベル、ハイペースな授業はもちろん、宿題として出される課題の量も多く、自由に過ごせる時間が取れず息詰まってしまうといった懸念もあります。
もちろん様々な原因が絡まりあって不登校になるケースもたくさんありますが、こういった「今置かれている環境」に大きな原因がある場合に有効な手段として、「今置かれている環境」から離れるという解決策があります。つまり、「現在通っている高校から離れて、違う高校に通う」という事です。では、「違う高校」について詳しく見ていきましょう。選択肢としては3つ存在しています。
1つ目は「全日制高校」です。これは現在通っている高校と同じで平日は毎日通学するというスタイルの高校です。周りの人間関係や授業の仕方などが変わりますので、環境としては大きな変化になりますが、全日制から全日制の転校の場合、「やっぱり通えない」という実例も多いのが現状です。2つ目は「定時制(多部制)高校」です。平日は毎日通学という点では同じですが、夜間に授業を受けたり、日中でも時間を短くなどライフスタイルに合わせて選択する事が出来、生活リズムが上手く作れない子供や、長時間の授業に耐えられない場合には有効と言えます。ほとんどの学校が4年間で卒業をスタンダードとしています。3つ目は「通信制高校」です。これは毎日通学する必要がなく、自宅学習やレポート提出などで単位を取得していくスタイルで、通学の頻度も選べたり、自宅に出張してくれたりと一人一人に合った通い方を選択できますし、不登校の子供を受け入れてきた実績があり、ノウハウを持っている学校もあるので、多くの場合において改善が期待出来る選択肢です。
不登校の高校生のその後の進路
不登校になってしまった高校生が選べる進路はどんなものがあるのか。ケースごとに見ていきましょう。
まずは現在の高校に復帰出来た場合、もしくは転校、編入によって違う高校に通った場合です。どちらの場合も必要単位を取得して卒業することで、「高校卒業」の資格が取得できますので、大学や専門学校への進学、もしくは「高校卒業以上」の学歴が必要な就職が可能になってきます。また、指定校枠や大学、専門学校とのパイプも持っているので、必要な進路指導を受ける事もメリットと言えます。
次に、現在の高校を退学し、転校、編入をしなかった場合です。大学や専門学校への進学を希望する場合、「高卒認定試験」を受けて高校卒業者と同等以上の学力があることを証明する資格を取得できれば、進学は可能です。これは通っていた高校で取得出来ている単位があれば免除出来る試験科目もありますし、16歳以上であれば受験出来るので、効率よく試験を受ければ同級生と同じ時期に大学進学が可能とも言えます。しかし、一人で学習していかなくてはならないので自分で学習計画を立てれる場合でなければ第三者のフォローを受ける必要が出てくると言えます。また、高卒認定資格は「高校卒業」とは違うので、大学や専門学校の上級学校を中退した場合は、最終学歴が中卒になってしまう点もリスクと言えます。
同じく高校を退学し、転校、編入をしなかった場合で、就職を選択するという方向性もあります。勉強するのが好きじゃなかったり早く社会に出てお金を稼ぎたい人には向いているといえます。しかし現在の日本では就職に学歴を重視される事が多く、希望の職種に就けなかったり、正規雇用してもらえない、なんていうケースも多いです。アルバイトの場合でも「中卒」という扱いになってしまうと時給が低いといったケースもありますので、リスクを知っておく必要があると言えます。
このほかの選択肢として、「海外留学」という手段もあります。通っている高校に海外留学制度がある場合、これを利用して短期留学する事が可能です。また、一旦通信制高校に転校して、そこから海外留学をするという選択肢もあります。もちろん高校を退学してから本格的に海外に、という方法もありますし、その場合日本の大学を帰国子女枠で受験する事も可能になってきますので、今と全く環境を変えて再スタートを切りたい人には向いていると言えます。
まとめ
不登校になってしまっても、その後の進路が絶たれてしまう訳ではありません。ですが、対応の仕方によっては進路の選択肢が減ってしまうのもまた事実です。焦って子供を叱ったりするのは逆効果になってしまいますので、じっくり向き合って子供と家庭に一番合った解決策を見つけるようにしてください。
もちろん手を差し伸べてくれる専門機関はたくさんありますので、家庭内だけで抱えて孤立せず、第三者と連携して解決に迎えるように情報を集めていくのも親の役割です。
WILL学園は学研エル・スタッフィングが運営する新しい形のサポート校です。高校生の中途編入も取得済みの単位を引き継いだ形でする事が出来ます。高校卒業はもちろん、その先まで一緒に考えて、本当の意味での自立を目指します。個別相談、学校説明会も実施していますので、お気軽にご相談ください。
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