高校生の子供が不登校になってしまったが、「人間関係で悩んでいる」「授業についていけない」「将来に不安がある」など原因は様々だし、どう向き合ったらいいかわからないという話をよく耳にします。
高校生の不登校だとそれまでの義務教育とは違い、単位が足りなくて留年、退学なんていう事も現実的に起こってしまい、子供の人生を考えると何とかしなきゃと思うけど、下手に対処するともっと酷くなってしまうかも…。という悩みを抱える保護者の方もいると思います。
この記事ではそんな保護者の方の為に高校生が不登校になる原因とその時に親がすべき対処法を具体的に解説していきます。
実は少なくない、高校生の不登校
文部科学省の調査によると、令和2年時点で、小中高合わせた不登校の人数は約24万人で、そのうち高校生の不登校は43,051人に上るとされています。学年別に見ていくと1年生が11,722人、2年生が10,058人、3年生が6,846人、4年生が250人、単位制が14,175人となっています。(出展:文部科学省「令和2年度児童生徒の問題行動、不登校等生徒指導の諸問題に関する調査結果」)
実はこの数字には、「年間欠席が29日以下である」「発達障害など病気が原因」の人は不登校の定義から外れるので含まれていません。ですので予備軍や定義された不登校に近い状態を含めるともっと多いと言えます。
つまり決して高校生の不登校が珍しいものではない事がわかりますし、どの家庭でも起こりうるという事も言えます。またそのうちの約2割が中途退学したという数字もあり、これも数字としては大きいです。中途退学というのは完全な退学であり、他の全日制や通信制高校への転校、編入や、留年しての過年度での卒業はカウントされていません。しっかり向き合って今後の対策を考えていく必要があると言えるでしょう。
高校生が不登校になってしまう原因とは
高校生の不登校の原因としてもっとも多いのが「無気力、不安」という調査結果があり、全体の37.7%に上ります。次いで「生活リズムの乱れ、あそび、非行」となり15.4%となっています。(出展:文部科学省「令和2年度児童生徒の問題行動、不登校等生徒指導の諸問題に関する調査結果」)
「学校」「家庭」「本人」それぞれに係る調査項目がある中で、実に50%以上の事例が「本人」が原因となり、不登校に至ってしまったという事になります。
小中学生で多くみられる「家庭」が原因の不登校は少なくなり、進路についての不安が原因である事が増えるなど、子供から大人になっていく過程の高校生という時期特有の心情の変化などが影響している事が窺えます。
したがって、高校生の不登校の原因は小中学生よりも複雑で、本人の内なる部分に起因している事が多いので、原因が1つではなかったり、原因がわかっても単純な解決方法があるわけではないという事が言えます。
高校生の子供が不登校になった際、親がすべき対応とは
まずは家庭内から出来る事として、親が心の支えになってあげる事が挙げられます。親として子供の将来への不安や世間体から登校して欲しい気持ちが一番にあると思いますが、不登校が悪い事として咎めてしまうと、子供は精神的に孤立してしまい状況は悪化してしまうかも知れません。なので、まずは「学校を休んでもいい」という事を伝えてあげる事で、少し気持ちが楽になるかと思います。
次に出来る事は、子供の話に耳を傾ける事です。頭ごなしに否定したり、話半分で「どうせ怠けてる」とか「甘えてるだけ」とか軽く受け止めてしまわずに、子供が抱えている問題や不安が何なのか、子供にとっては深刻な物なので、原因がわかるにせよ漠然としたものにせよ、共有する事で心の安定を目指す事が出来ます。中には本人ですら、「何が原因で学校に行きたくなくなったのかわからない」という事例も少なからず存在します。その場合も一緒に共有してあげて、はじめの一歩を一緒に考えてあげる事が重要です。
もちろん不登校になってしまった子供にどう接していいかわからないという状況も多いと思います。そうした場合に担任の先生に相談するというのが一番身近な方法かと思います。学校と連携する事で、子供が学校でどう過ごしていたかなど今までの様子も知る事が出来ますし、単位の事や必要な出席日数を知る事で今後の対策を一緒に考える事が出来、一人で考えているより確実に視野が広くなります。その他にも気軽に相談出来る所がありますので、そちらも紹介させていただきます。
一つはスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーです。どちらも高校の専門の職員で、問題がある生徒の対応を行ってくれます。
スクールカウンセラーは心のケアをする公認心理士や臨床心理士の資格を持ち、本人や保護者にカウンセリングを行います。スクールソーシャルワーカーは社会福祉士や精神保健福祉士の資格を持ち、学校、地域、医療機関と連携して周囲の環境に働きかけていきます。
もう一つは医療機関です。何らかの身体的問題、体調不良などが原因で学校に行きたくない場合、うつ病や発達障害などの精神的問題による場合と受診先は変わってきますが、小中学生の不登校に比べ、医療機関の受診事例は多いようです。
精神的問題から来る体調不良だったり、無気力、不安という事もあり得ますので、気になる様子がある場合は受診してみるといいでしょう。
相談をした上で、どうしても学校に行けない場合の対応の一つとして、「教室にはいけないけれどクラスメイトと顔を合わせなければ大丈夫」という場合、保健室や別の部屋で授業を受ける方法があります。
上記で紹介した相談機関の他にも、不登校の相談を出来る場所や、支援してくれる機関がいくつかあるので、紹介させていただきます。まずは公的団体ですと、「市区町村の子育て相談窓口」「児童相談所、児童相談センター」「ひきこもり地域支援センター」「教育支援センター、適応指導教室」などがあります。民間の団体ですと、「不登校の親の会」「フリースクール」「不登校対応の塾、家庭教師」などがあります。こういった団体は専門知識や今までのノウハウをたくさん持っているので、具体的な解決策に繋がる可能性が高いでしょう。
子供とご家庭に一番合った相談先を見つける事が大切です。
まとめ
不登校の高校生の実際の人数、不登校になる原因、その時に親がするべき対処法について解説してきましたが、不登校が複雑で繊細な問題である事がわかっていただけたと思います。まずは家庭内で共有し、対処してみて、解決しないようであれば我慢せずに誰かに頼ってください。支援してくれる団体はたくさんありますし、子供に合った方法で時間はかかるかも知れませんが確実に前に進めます。ひとりひとりに合った解決方法が必ずありますので、諦めず向き合ってください。
WILL学園は学研エル・スタッフィングが運営する通信制サポート校、フリースクールです。高校生の編入も在籍校で習得済みの単位を引き継いで転入する事が出来ます。通学も毎日通学から週に2、3回のコース、この他にも在宅での訪問授業、在宅と通学のハイブリッドコースも行っており、お子さんに合ったコースを選択できます。
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