コラム

高校生の子供が不登校になってしまったら。重要な初期対応について解説

高校生の子供が不登校になってしまったら。重要な初期対応について解説 高校生

高校生の子供が学校を休みがちになってしまって…不登校になったら小中学校と違って単位が足りなくて留年、中退なんて事になるかも知れないし、そうなったら子供の将来が大変な事になってしまうんじゃないか…。

進路やこれからの人生に大きく影響する高校生だからこそ、不登校になってしまったら親としてどうしたらいいのかわからなくなってしまうと思います。

実はこの不登校初期段階にどう対応したかが後々重要になってきますので、ポイントを絞って解説していきたいと思います。

高校生の不登校、初期対応が重要な3つの理由

子供が不登校になってしまった初期は、親もどうしたら良いかわからず、頭ごなしに叱って無理やり学校に行かせる、そんな逆効果な事が起きかねません。ここでは初期対応が重要な3つの理由を解説します。

1、子供の心を休ませてあげられる

学校を休むのが良くない事なのは子供もわかっています。それでも学校に行けないのには訳があり、本人が一番悩んでいます。

そんな時に親から「学校を休んでもいい」と言ってもらえたり、将来の事が不安になっていても「何とでもなる」と言ってもらえると、追い詰められた子供の心を楽にしてあげる事が出来ます。

悲鳴をあげている子供の心を出来るだけ早く休ませてあげましょう。

2、子供と関係を築ける

学校に行かなくなると、家にいる時間に会話をする機会が増えてくると思います。その時に積極的に子供の話を聞くようにすると、「自分の話を聞いてくれる」と感じ、学校や将来の事などを相談しやすくなります。

もちろん学校に行きたくない理由を聞き出そうとしてしまうと逆効果です。本人にも理由がわからない時もあり、余計なプレッシャーを与えてしまうかも知れません。

強要はせず、「なんでも話してね」というスタンスで接することで子供の孤立を防ぐことが出来ます。

3、学校と協力して対策を考えられる

不登校になってすぐの子供には勉強や進路の事を考える余裕は無いと思います。そんな時に学校としっかり連絡を取り合って、欠席日数や単位など状況の把握、復帰の為に出来る事を相談したり協力体制を作っておく事で最大限のサポートが出来ます。

もちろん親も不安な訳ですから、相談できる相手がいる事で親の孤立も防ぐことに繋がります。

小中学生の不登校とは違う、高校生の不登校で注意すべきこととは

高校生の不登校は義務教育の小中学生とは大きく違う点があります。注意点を順番に解説していきます。

まず挙げられることとしては、勉強が遅れてしまう事です。

勉強の内容が義務教育よりも高度になり、特に進学校の場合は何日か休んでしまっただけでも遅れを取り戻すのが難しくなってきます。

また、その勉強の遅れにより、テストの得点次第で「単位」の取得にも影響を及ぼしてしまいます。

次に挙げられるのは単位が足りなくなるという事です。

高校では科目を履修する為に設定されている単位数があり、先ほどのテストの結果も関わってきますが、出席日数が足りなくても単位を落としてしまいます。これは各科目ごとに設定されていて、全体の1/3から1/4を欠席すると単位を落としてしまうことになります。

高校卒業には最低として74単位が設定されていますが、各学校により基準があり、学校ごとに設定している科目と、文部科学省によって定められている必履修科目の両方の基準を満たす必要があります。

また各学年で「必履修教科」があり、それを履修しないと次の学年に進級できなくなってしまいます。

そして最終段階が中途退学してしまうという事です。

義務教育ではない高校生の場合、欠席日数がかさんでいくと「留年」、後には「中退」という事例も少なくなく、平成30年度の文部科学省の調査では不登校になった高校生のうち25%が中退したという事実があります。

このように、高校生の不登校は子供の将来や今後の人生に大きく関わってくるという点で小中学生の不登校よりも注意しなくてはいけない事が多いと言えます。

不登校の高校生は転校、編入で改善する場合がある

不登校の高校生が改善するきっかけは様々ですが、転校、編入がきっかけとなり改善する場合も多くあります。これには不登校になった原因が大きく関与していますので、原因ごとに解説をしていきたいと思います。

まず転校、編入で改善する可能性がある場合ですが、「不登校の原因が学校にある」事と「転校、編入が本人の意思である」事がポイントになってきます。

不登校の原因が学校にある場合は友人関係であったり、先生との関係、クラブ活動や校則に関してなど様々な問題が考えられます。この場合は問題のある学校から離れて環境を変える事で再び学校に通えるようになる可能性は大きいと言えます。

次に転校、編入が本人の意思である場合ですが、現在と環境を変えるという事には非常に大きなエネルギーが必要になってくると思います。それでも新しい環境に飛び込んで現状を改善したいと本人が強く希望するのであれば、新しい環境に対応出来るようになる可能性は高いと言えます。

では逆に転校、編入しても不登校が改善しない場合を見てみましょう。

まず「不登校の原因がはっきりわからない場合」です。この場合は現在通っている学校に直接の原因が無い訳ですから、違う学校に通っても不登校が改善する可能性は低いと言えます。例えば家庭内の関係が問題であったり、本人の無気力や不安、非行など様々な要因が重なって不登校になっている事例もあります。この場合には焦って転校、編入をする必要はないでしょう。

もう一つは「生活リズムが崩れている場合」です。例えば昼夜逆転してしまっている場合など、新しい学校に登校しようとしても急に朝起きることはできません。まずは生活リズムの改善からスタートする必要があると言えます。

ではいざ転校、編入する事になった時に選択肢がある事も知っておいて欲しいと思います。

大きく分けて3つ選択肢が存在します。「全日制高校」「定時制高校」「通信制高校」です。それぞれ転校に条件がありますので解説します。

「全日制高校」は現在通っている学校と同じ平日の昼間に通う学校です。「定時制高校」は毎日通学するという点では全日制と一緒ですが、授業時間が短く、夜間だけでなく昼間も選べる学校も増えてきています。どちらも転校、編入の条件は同じで、引っ越しなどやむを得ない理由がある事(いじめなどの理由が可の場合もある)、受け入れ先に欠員がある事、試験に合格する事の3つが条件となります。

条件が厳しいと感じる方も多いと思いますが、もう一つの選択肢である「通信制高校」は転校、編入しやすい学校が多いことが特徴と言えます。

まず毎月転入生を募集しています。転入試験はなく、書類審査、面接だけの学校がほとんどとなっています。広域通信制高校であれば全国どこからでも転入可能となっていますし、年度途中で入学する、つまり他の学校から転入してくる生徒が多いという特徴もありますので、不登校からの転入もしやすいという事が言えます。

まとめ

高校生の不登校における初期対応の重要性、小中学校との違いと注意点、転校、編入で改善する場合と転校先の選択肢について解説してきました。やはり言える事は、焦りは禁物である事。子供とじっくり向き合い最善の選択肢を選んでいけたら、一人一人に合った対処法が必ず見つかります。


WILL学園は通信制サポート校とフリースクールが一緒になった新しい形のサポート校です。高校生の編入の際には習得済みの単位を引き継ぐ事が出来ます。毎日通学、週2、週3通学、在宅訪問支援、通学と在宅のハイブリッドなど様々なコースがあります。個別相談、学校説明会も実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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