中学生の子供が不登校になってしまったが、原因がわからない。色々調べてみると家庭環境が原因のこともあるらしく、不安になっている…。大切に育ててきたのに子供のことがわからなくなってしまったということも思春期にさしかかった子供にはありがちなことです。この記事では子供の不登校の原因が親や家庭環境にある場合の解説、その場合の子供との接し方や対応について詳しく見ていきます。
子供の不登校の原因が親ってホント?
子供が不登校になる原因は、一人一人性格も違うので実にさまざまですし、いくつもの原因が絡まりあっている場合も少なくありません。その中のひとつに、不登校になりやすい子供の「性格の傾向」というものが存在します。子供の性格は、「生まれ持ったもの」も勿論ありますが、育児において「親の影響を受け、形成される」部分もあります。
例えば、子供の心配をするあまり、子供が考えて発言や行動をする前に親が答えを言ってしまったり、先にしなければならないことをしてしまったり、という「過保護」の状態にあったとしたら、子供は自分で考えることを辞めてしまって「自己解決力能力の不足」した状態になってしまったり、親がやってくれないと不安になる「心配性」、何でもやってもらえて、自分が偉いと勘違いして「プライドが高くなる」、行動が幼児のようになってしまう「退行」などの症状が出てきてしまいます。
このように、それが全てではなく、親だけが悪いという訳では決してありませんが、親の接し方が子供に影響を与える部分も多く、原因の一旦を担っている可能性はあると言えます。ご自身の子供に対する接し方がどうなのか、一度振り返ってみていただけると、また見えてくるものもあると思います。
親が原因で不登校になると言われてしまう理由
先ほどの項目でも少し触れましたが、親の子供への接し方が原因で、不登校を引き起こしてしまう理由について、親の接し方のタイプ別に子供に与える映鏡を詳しく見ていきましょう。
1、過保護、過干渉
子供を大切にしていて、「たくさん愛情を注いで育てたい」と思えば思うほど、陥ってしまうことがあるのがこのタイプです。「過保護」と「過干渉」は同じように子供のやることに過度に親が介入するのですが、「過保護」の場合は「子供の為に、してあげたい」という思いから来ていて、子供を守る為に何でもしてあげてしまうことです。対して「過干渉」の場合は「親の理想の為に、せざるを得ない」という思いから来ていて、親の思う理想の子供に近づける為、子供の先回りをしてやってしまったり、やることに対して干渉していきます。
過保護、過干渉が過ぎてしまうと子供は判断を自分でしなくなってしまったり、自分で行動することも少なくなってしまい、甘えから不登校になりやすくなってしまいます。
2、愛情が不足している
このタイプは前項とは逆で、「子供は子供、自分は自分」と割り切っていたり、興味が持てず放任してしまう、仕事が忙しくて構ってあげれない、元々子供が嫌いなど、子供が愛情が不足していると感じているパターンです。
愛情が不足していると感じながら育った子供は「愛着障害」という依存の状態になってしまいます。これは親が自分を残してどこかに行ってしまうのではないかという不安からきていて、精神的に不安定になり、親と離れることを嫌がるようになってしまいます。成長してもこの状態が続くと、不登校になってしまう可能性があります。
3、他の子供と比べてしまう
ママ友同士の交流などで、情報交換をすることがあったり、学校の行事で親が集まって他の子供のことを見たり聞いたりすることも珍しくないと思います。そんな時に、自分の子供と比べて「ウチも頑張らないと」とか「どうしてウチの子は…」というように思ってしまうこともあるでしょう。
子供は一人一人個人差があり、同じ学年であっても千差万別です。親が感じる世間体や優劣の感覚を子供に押し付けてしまったとしたら、子供は自分のことを認めてもらっていない感覚に陥ってしまいます。
4、教育熱心すぎる
日本はまだまだ学歴社会なので、子供の将来のことを考えたらしっかり勉強して、少しでもいい学校を卒業して欲しいと思うのは当然のことです。たくさん勉強をさせることも、子供の興味を得られ、すすんで勉強したがるようでしたら何の問題もありません。
しかし、子供が無理をしている状態、例えば友達と遊びに行きたいのに勉強のノルマが多くて断らざるを得なかったり、平日だけでなく土日も勉強のノルマを課せられたりしたら、自宅に居るのを窮屈に感じ、気持が落ち着く場所が無くなってしまいます。学校に行く気力が無くなっても不思議ではありません。
5、子供の考えを受け入れない
親が子育てや子供のあり方に関して「理想の形」を強く持ちすぎていると、そこから外れてしまった物は受け入れられないといった状態になってしまいます。
例えば、「女の子は髪を伸ばしてスカートを履いておしとやかに」という理想を持った親の場合、男の子に混じって泥んこになって遊ぶようなことはしてほしくないと感じてしまうかも知れません。子供のやりたいことと、親の理想にズレが生じた場合に、親の理想を押し付けてしまうと、子供はストレスを感じてしまいます。
不登校を改善する為に親が取るべき対応
では子供が不登校になってしまい、原因が親にある場合、どうしたらいいのか。親が取るべき対応を見ていきましょう。
1、問題を受け入れる
不登校は近年、増加傾向にあり、勉強やスポーツが出来る子や友達が多い子、昨日まで元気に学校に通っていた子でも不登校になる可能性があります。ですが、「自分の子供が不登校になってしまった」という事実は出来れば誰にも知られたくないという親も少なからずいるでしょうし、ましてや自分の接し方に問題があったとなると「認めたくない」と思ってしまうこともあるかと思います。
ですが、不登校を改善するには、まずは「事実を受け入れる」ことが必要です。子供の将来の為に、世間体やプライドは一旦置いておきましょう。
2、親が塞ぎこんでしまわない
自分の子供が不登校になってショックを受けない親はいません。ですが、子供は自分をコントロール出来ない状態になってしまっているので、親が主導して対策を取っていくしか無いのもまた事実です。共倒れになってしまう前に「親だからこそ出来ること」を実行していきましょう。
子供の生活リズムの管理、学校との連携、不登校に関する情報の収集など、出来る事はたくさんありますし、前向きな姿勢は子供にも良い影響を与える筈です。
3、専門家に相談する
不登校の期間に子供のことをしっかり観察し、第三者的な目線で改善点などを見つけることは勿論大切なことです。しかし、親の問題点は自分では発見できない可能性が高いと言えます。前項に挙げたように、親の接し方が原因で不登校になっている場合、親の問題を改善しない限り、根本の改善は出来ません。
例えば精神科に行ってカウンセリングを受けたり、民間の専門機関に相談することも可能です。勇気が必要なことですが、子供の為に受け入れましょう。
4、子供と対話する
子供の意思や感じていることを知るのはとても重要です。親の考えや理想を押し付けてしまっては、不登校改善は遠のくばかりですので、しっかりと対話をして、お互いのことを理解しあう努力をしましょう。
塞ぎこんでしまった子供はなかなか本音で話してくれませんので、最初は世間話などで構いません。少しずつ、何でも話せる関係を築くようにしましょう。
まとめ
親が原因で不登校になる場合の子供の接し方と対応を見てきました。親に原因がある部分も勿論ありますが、それが全てではなく、さまざまな原因が複雑に絡み合って不登校になっていることがほとんどです。
やはり重要なのは現状を受け止めることと問題を把握することですので、子供ひとりひとりと家庭に合った対策を考えていきましょう。
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