発達障がいは、見た目にはわからないことが多く、「わがまま」、「自己中」、「思いやり不足」、「怠けている」などと勘違いされてしまうこともあります。では、発達障がいの子供が不登校になってしまったとき、フリースクールに通うことは出来るのか。詳しく解説していきます。
フリースクールとは
フリースクールとは何らかの理由で学校に通うことが出来なくなってしまった子供を受け入れている、民間の教育機関です。国が法律で定めている「学校」である「一条校」と違い、運営方針や教育理念など施設によって様々です。
2001年頃から不登校の生徒、児童は増え続け、社会問題として注目を集めています。その需要と認知度の上昇から、フリースクールも様々なタイプが生まれ、今では全国に約480の施設が存在しています。代表的なものをいくつか紹介します。
1、子供の居場所を提供するタイプ
在籍校に復帰することを目的とせずに、子供が元気や自信を取り戻す為に、居心地のよい「居場所」を提供します。基本的にカリキュラムが細かく決まっていないので、子供は自分のやりたいことをして過ごします。
2、学校に復帰するための学習サポートタイプ
いずれ在籍校に戻りたいと考えている子供向けのタイプです。学校の授業の進度に合わせた個別学習で、苦手やわからないことの解決を目指します。学校と同じように時間割が決まっていたり、集団授業もおこないます。
3、発達障がいや学習障がいを支援タイプ
発達障がいや学習障がいを持っていて、対人関係や特定の分野の勉強が苦手な子供に、専門家がサポートしながら療育をし、困難の軽減を目指すタイプです。
4、自宅出張サポートタイプ
外出が出来なかったり、集団が苦手な子供に、自宅までスタッフが出張してサポートしてくれるタイプです。一緒に勉強したり、遊んだりして過ごすことで、家族以外の人、一般社会との接点が持てます。慣れてきたら、外の世界に興味をもつきっかけになって行くことでしょう。
5、医療機関と連携タイプ
心や身体に病気を持つ子供の為に、医療機関と連携して、安心して過ごせるようにサポートするタイプです。医療的なケアやカウンセリングなど、専門家が常駐しておこないます。
6、通信制高校、サポート校が開設タイプ
通信制高校やサポート校が小中学生を対象に開設しているフリースクールで、高校に進学したときのイメージがしやすくなっています。
7、オルタナティブスクール
日本ではまだ明確な定義が無く、フリースクールや一条校とも違う「もうひとつの学校」という意味で使われています。ヨーロッパやアメリカの哲学的思想を元にしている「オルタナティブ教育」を取り入れていて、教育方針や運営体制に共感した家庭が選択するもう一つの選択肢です。
発達障がいの子供でもフリースクールに通えるか
発達障がいの子供を受け入れているフリースクールと、受け入れることが出来ないフリースクールがあります。その違いを見ていきましょう。
1、発達障がいとは
生まれつきの脳機能の発達の偏りによって起こる「特性」のことを指します。厳密に言うと病気ではなく、その特性が生活に支障をきたすと「障がい」となります。
発達障がいは「自閉症スペクトラム障がい(ASD)」、「学習障がい(LD)」、「注意欠如多動性障がい(ADHD)」の3つに分類され、外見からは分かりにくいため、「わがまま」、「自己中」、「思いやり不足」、「怠けている」などと勘違いされてしまうこともあります。これは、その子供の特性や個性に合った環境を整え、能力や希望を理解して療育に取り組めば軽減することができ、早い段階から取り組めば社会に出てもコントロールできるようになるかもしれません。
2、発達障がいを受け入れているフリースクールとは
では発達障がいを受け入れているフリースクールはどういった施設なのか。見ていきましょう。
前述の通り、フリースクールは施設によって運営方針や理念が様々です。そして、「不登校の子供」を受け入れるのが主要な目的なので、全てが発達障がいに対応している訳ではありません。そのため、発達障がいに対応しているフリースクールは専門のクリニックの医師と相談して探すのが有効です。
発達障がいは1つだけとは限らず、学習障がいと注意欠如多動性障害など、いくつかの障がいが混在している場合も多いです。専門の医師であれば、薬物療法も含め、もっとも適した対応方法を提案してくれます。
発達障がいの子供におすすめのフリースクールの選び方
発達障がいを支援してくれるフリースクールを探す際のポイントをいくつか紹介します。
1、個別のニーズに対応
発達障がいの症状は子供によって様々です。教育計画や支援プログラムが柔軟で、子供一人一人に合わせた対応が出来るか、また成長に合わせて調整できるかが重要です。
2、専門家のサポート
専門の教育者や心理学者、カウンセラーなどが在籍しているか確認しましょう。専門的で適切なサポートを受ければ、安心して過ごすことができます。
3、小規模なクラスと個別指導
個別の学習スタイルやニーズに対応する為に、小規模なクラスと個別指導があるかが重要です。子供と密接にスタッフが協力することで細やかなケアが期待できます。
4、環境の適応
学習環境が子供たちのニーズに適応できるよう、工夫されているか確認しましょう。感覚統合などおこなえるスペースがあるかどうか、安心して勉強できるかなどチェックが必要です。
5、家庭との連携
スクールが保護者とのコミュニケーションを積極的に取ろうとする姿勢か確認しましょう。連携して情報共有し、双方で見守っていく必要があります。
6、評判、口コミ
スクールの実際の運営やスタッフの対応など、評判を調べることも重要です。他の保護者や専門家のフィードバックを参考に、安心して子供を預けれるか判断しましょう。
7、学校説明会や見学会の利用
ほとんどのスクールが見学会や説明会を実施しています。実際に施設を訪問し、通っている子供の様子やスタッフの対応の仕方、施設の雰囲気など、観察して子供に合うか考えましょう。また、子供がどう思うか、ヒアリングして意思を反映することも重要です。
まとめ
発達障がいの子供をフリースクールに通わせる際のポイントや注意点など見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
大切なのは、子供の個性や特性に合った対応をしてもらえて、安心して過ごすことが出来るかです。実際に施設に通うのは子供なので、いくらいいスクールだと思っても子供に合わなければ通わなくなってしまうかも知れませんので、子供の意思も確認しましょう。
特に発達障がいの子供はデリケートですので、長い目で、焦らず見守ってあげることが重要です。
WILL学園は発達障がいの子供も受け入れています。色々と不安な点もあると思いますが、まずはお気軽にご相談ください。
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