最近よく耳にする「ホームスクーリング」という言葉。まだ広まりつつある段階なので、詳しく知らない方も多いと思います。この記事ではホームスクーリングの基本的な内容から、向いている子供の特長、メリットデメリットを詳しく解説していきます。
ホームスクーリングとは
ホームスクーリングまたはホームスクールとは、「学校に通わず(時には通いながら)家を拠点として教育をおこなう教育方法」のことを指します。通常は学校に通って授業を受け、勉強をする訳ですが、教育の拠点を学校ではなく、家にすることで「不登校」と同じと考えられることもありますが、必ずしもイコールではありません。
日本ではまだ認知度が低いですが、アメリカではホームスクーリングが法律で認められていて、5〜17歳の子供のうち、全体の約3.3%がホームスクーリングを選択しています。
ホームスクーリングと不登校の違い
不登校の児童生徒は年々増加傾向にあり、社会問題として話題に上がることも多いです。不登校の場合、子供は学校に行くことを「拒否」している、もしくは「拒否せざるを得ない」状態にあり、ネガティブなニュアンスを含んだ言葉として認知されています。子供は何らかの原因で心身共に疲れてしまい、学校に行けなくなってしまう訳です。
これに対して「ホームスクーリング」は学校に行かないのは同じですが、家で勉強することを子供の意思で積極的に選んでいて、そこには学習以前の支援(引きこもり、無気力、家庭環境の問題)は必要ありません。不登校と区別する意味で、「積極的不登校」と呼ばれる場合もあります。
出席扱いが可能か
ホームスクーリングを選択した場合、高校進学を見据えていれば、当然在籍校の出席日数は気になってくると思います。これには令和元年に文部科学省が出した「不登校児童生徒への支援の在り方について」という通知の中で、家での学習を学校の出席と認める仕組みが提示されています。
これによると、「一定の要件を満たした上で、自宅において教育委員会、学校、学校外の公的機関または民間事業者が提供するICT等を活用した学習活動をおこなった場合、校長は指導要録上出席扱いとすること及びその成果を評価に反映することができることとする」と提示されていて、在籍校の校長の認可があれば、ホームスクーリングも出席扱いになると国が認めました。
ホームスクーリングにおすすめの子供の特徴
ホームスクーリングとはどういうものか、基本的なことはおわかり頂けたと思います。では、どのような子供に向いていると言えるのでしょうか。順に見ていきます。
好奇心旺盛
ホームスクーリングでは、学校の授業のように決められたカリキュラムがある訳ではありません。自分で興味を持ったもの、もっと勉強したい分野など、積極的に勉強することができますし、通常の授業では出会わないような分野に出会える可能性もあります。
自分で学びたい物を選び、自発的に好奇心を持って学習を進められるとより良い効果が得られます。
親との関係性が良い
ホームスクーリングでは親が子供の学習をサポートする割合が多くなってきます。特に小学校低学年のうちは、スケジュール管理など、自分でおこなうことが難しいことや、教材の準備などは親の役目となってきます。
親との関係性が良好であれば、学習環境を整えられるだけでなく、さらなる自発的な学びや精神面での成長など、多くのことが期待出来るでしょう。
発達障害などの特性がある
発達障害を持っていると通常の学校のクラスでは自分の個性を発揮するのが難しい場合もあります。
ホームスクーリングでは自分に合わせた環境で、伸び伸びと、好きなことを学べるので、委縮する事なく自分の個性を発揮でき、良い方向に作用させることができます。
対人関係が苦手
いじめを受けて引きこもり気味になってしまった等、対人関係が苦手でも、自分のペースで学ぶことができ、勉強に集中できます。
インターネット環境があれば外出が難しい状態でも最新の情報を得る事ができますし、近年ではオンラインの技術も発達しているので、自室にいながら授業を受ける事も可能です。
ホームスクーリングのメリットデメリット
ホームスクーリングを選択するか考える上で、知っていてほしいメリットとデメリットがあるので紹介させていただきます。
メリット
メリットとして挙げられるのは、学校教育の既存の方法に囚われない自由な教育が出来ることです。
学校教育の既存の方法では、毎日学校に同じ時間に通い、決められたカリキュラムに乗っ取って授業がおこなわれます。勿論それはそれで何の問題もないのですが、あくまで受動的におこなわれ、子供が自発的に学習したい内容を選んでいるわけではありません。ホームスクーリングであれば、子供が学習したい内容を中心に学んだり、週によって学習科目を変えるなど、フレキシブルに学習内容を決めることが可能です。
また学校の授業では、決められた時間ずっと席に座っていなければいけませんが、じっとしているのが苦手な子供に取っては大きな苦痛になってしまいます。集中力が続かない子供もいます。ホームスクーリングでは時間配分も自由に設定できますので、子供に合ったペースで学習できますし、自分で管理が難しい子供は、一番の理解者である親にスケジュールを組んでもらうことが可能になります。
デメリット
ホームスクーリングを選択する場合、基本的には教材や教育方法は親が選定していくことになります。子供をよく観察して、合ったものを選定することが必要となります。
またスケジュールの管理や勉強の環境を整えるのも親の役目になってきますし、一日中子供が家にいることになると、親の息抜きの時間が無い、などの問題も出てきます。親にとっても子供にとっても無理のないスケジュール設定や学習方法を選択する必要があります。
忘れてはいけないのが金銭的な負担です。ホームスクーリングに対しての国からの補助金の制度などはまだ整備されていないので、金銭的な負担は発生してしまいます。これに関しても長期的に無理のない計画を練る必要があると言えます。
とは言っても現在ホームスクーリングには時代の変化と共にさまざまな選択肢が新たに登場していて、タブレットを使用した学習、オンラインの教室、在宅訪問型など多種多様です。情報や体験談などもネットで気軽に手に入るようになったので、参考にするといい結果につながるでしょう。
まとめ
ホームスクーリングについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。多様化が進む現代では、ひとつの選択肢として更なる進化が期待できる学習法といえます。
重要なのは家庭がベースになるので、家庭環境、親子関係です。いい親子関係を築き、何でも話し合いながら取り組むことが重要です。
WILL学園は子供の個性に合わせた通い方ができるフリースクールです。在宅型やオンライン型で通うこともできます。将来的に通学型に切り替えることも可能なので、おこさまの状況に合わせて適した環境をご用意できます。是非お気軽にご相談ください。
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