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不登校特例校とはどんなところ?特徴や取り組みについて紹介

不登校特例校とはどんなところ?特徴や取り組みについて紹介 フリースクール

不登校の生徒、児童の増加が社会問題となっている昨今、対応策の選択肢として「不登校特例校」の名前を聞くようになってきました。まだ詳しく知らないという方も多いと思うので、この記事では特長やおこなわれている取り組み、全国にある校舎の紹介など、詳しく解説します。

不登校特例校とは

成り立ち

学校教育法施行規則改正によって、平成17年7月6日に初等中等教育局長通知によって周知され、「不登校児童生徒に配慮した教育が必要だと認められる場合、特別の教育課程を編成して教育を実施することができる」という内容で、一般の学校には無い、特別な教育をおこなう学校として誕生しました。

一般的な学校では学校教育法により、学年ごとの授業時間や学習計画が決まっており、児童生徒はこれに従って授業を受けるという仕組みになっています。これは一人一人の理解度、習熟度には関係なく、決められたカリキュラムに沿って進められるので、授業の進め方に合わない場合はついていくことができず、不登校の原因にもなってしまいます。

一方、特例校は「教育課程に沿った教育」をおこなう必要がない為、特別な教育を実施することができます。具体的には「少人数指導」、「習熟度別指導」、「家庭訪問」、「保護者への支援」、「学校外プログラムの積極的な活用」などが挙げられ、生徒ひとりひとりに合わせた教育をおこなうことができる、と言えます。

入学条件

誰でも希望すれば入学できる訳ではなく、利用条件が定められています。

不登校という認定を在籍校に得た児童生徒が対象になり、基本的には年間30日以上の欠席で不登校と認めるということですが、その判断は各学校や教育委員会などの管理機関が柔軟におこなうと示されていて、より多く事例で入学が可能なよう、配慮されています。保護者や児童生徒本人が入学を決定できる訳ではありません。

不登校特例校の特徴や取り組み

主な特長と実際におこなわれている取り組みの例を見ていきます。

生徒数

通う生徒の数は、一般的な学校と比べるとかなり少ないです。一般的な学校の1クラスの定員が、小学校で35人、中学校で40人であるのに対し、特例校では1クラス30人未満、場合によっては5人未満のクラスも存在します。

しかし生徒の数が少ないからといって配置されている教員の数が少ない訳ではありません。生徒数の割合に対して教員が多いだけでなく、登校支援員や心理相談員などの不登校のサポート専門家が配置されている場合もあり、一人一人にとって手厚いサポート体制が準備されていて、安心して通う事ができると言えるでしょう。

授業時間

一般的な学校は教育課程により、各科目の授業時間やカリキュラムが決まっていますが、特別の教育課程を認められているので、学校独自の授業時間を決定できます。

実際の授業時間に関しては一般の学校の3/4くらいでおこなわれていることが多いですが、通常の教科指導よりも、不登校の児童生徒に必要な授業内容を学校独自に取り入れている場合もあり、特色のある授業展開をしている学校も存在します。

各校の特色があるので、入学を希望する場合は、事前に希望の特例校の授業時間と授業内容を調べておくと良いでしょう。

授業形態

少人数制の授業や、個別指導が中心になります。これは生徒一人一人の特性や状況に合わせた授業をおこなう為の取り組みで、一般的な学校の授業のスピードについていけず、不登校になってしまった子供には大きな安心感につながります。

また自由なクラス編成も可能となるので、「習熟度」によってクラス編成をして、レベルを同じくらいにする事で、少人数制でも一人一人に寄り添うような授業の展開を可能にしている学校もあります。

その他にもオンラインを使った自宅学習が認められている学校もあったりと、学習しやすいようにさまざまな工夫がされています。

授業内容

特別な教育課程が許されるので、多様な授業内容も特長と言えます。学校側が「不登校の児童生徒に必要な内容」として取り入れている物も様々です。一例を紹介します。

〇自然や生命、芸術に触れる体験
アウトドア、スポーツ、芸術鑑賞、楽器演奏、ものづくりなど

○職業体験、社会科見学
農業体験、工場見学、パソコン講座など

○ソーシャルスキルトレーニング
ワークショップ、生徒同士のディスカッションなど

体験型の授業を多く取り入れることで一般の学校ではできないような学習をおこなえ、興味を持てるものとの出会いや、将来に繋がる経験などが可能です。

進路指導

一般の学校でももちろん進路指導はおこなわれますが、特例校では更に手厚い進路指導をおこなっている学校が多いです。

児童生徒一人一人が希望の進路に進めるよう、学習面に加え、生活面でも習熟度別の指導をおこない、特性と状況に合わせた進路へと導きます。

また、私立の中学の特例校では進学面で高校と連携している学校もあるので、高校進学を見据える場合、有益となります。

不登校特例校一覧

全国の24校(2023年7月現在)を紹介させていただきます。

○北海道
星槎もみじ中学校 (札幌市)

○宮城県
ろりぽっぷ学園小学校 (仙台市)
白石市立白石南小学校・白石市立白石南中学校 (白石市)
宮城県富谷市立富谷中学校 (富谷市)

○東京都
大田区立御園中学校 (大田区)
世田谷区立世田谷中学校 (世田谷区)
東京シューレ葛飾中学校 (葛飾区)
東京シューレ江戸川小学校 (江戸川区)
八王子市立高尾山学園小学部・中学部 (八王子市)
調布市立第七中学校 (調布市)
NHK学園高等学校  (国立市)
福生市立福生第一中学校 (福生市)

○神奈川県
星槎中学校 (横浜市)
星槎高等学校 (横浜市)
大和市立引地台中学校 (大和市)

○岐阜県
岐阜市立草潤中学校 (岐阜市)
西濃学園中学校 (揖斐郡)

○愛知県
星槎名古屋中学校 (名古屋市)

○京都府
京都市立洛風中学校 (京都市)
京都市立洛友中学校 (京都市)

○奈良県
大和郡山市立郡山北小学校 分教室「ASU」 (大和郡山市)
大和郡山市立郡山中学校 分教室「ASU」 (大和郡山市)

○香川県
三豊市立高瀬中学校(三豊市)

○鹿児島県
鹿児島城西高等学校 普通科(ドリームコース) (日置市)

やはり都市部に集中している印象ですが、令和2年の段階で全国に12校しかなかったのが令和5年には倍の24校になっていますので、これからもどんどん充実していくと思われます。

まとめ

不登校特例校について詳しく見てきましたが、その魅力をおわかりいただけたのではないでしょうか。現代の社会問題である「不登校」の解決策として期待できる選択肢の1つと言えますし、国が力を入れていることからも、今後更なる発展が期待できますね。

まだまだ地方都市には整備が間に合っていませんが、これから充実していくことでしょう。具体的な運営や制度は地域や学校によって異なるため、詳細な情報は地元の教育機関や関連機関に問い合わせると良いでしょう。インターネットでも情報を得れますので、気になる学校の授業内容や取り組みなど、調べてみてはいかがでしょうか。

WILL学園は東京や神奈川、名古屋、大阪など通いやすい地域にキャンパスを構えています。近隣にキャンパスがない場合もオンラインで授業に参加することが可能です。不登校特例校が近隣にない場合や通学が難しい場合など是非お気軽にご相談ください。

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