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自立訓練(生活訓練)とは?プログラム内容や利用料・対象者や利用期間を解説!

自立訓練(生活訓練)とは?プログラム内容や利用料・対象者や利用期間を解説! 自立訓練

自立訓練(生活訓練)は、日常生活の自立を支援するプログラムです。

このコラムでは、自立訓練プログラムの内容や利用料、対象者や利用期間について詳しく解説しています。心身の困難に苦しむ方々やサポートを必要とするご家族、支援者などに向けて、自立訓練プログラムの理解を深めるための情報を提供していますので、ぜひご確認ください。

自立訓練(生活訓練)とは 

自立訓練には、生活訓練と機能訓練の2種類が存在します。
生活訓練では日常生活のスキルを、機能訓練では身体機能の向上を目指すのが特徴です。

それぞれのカリキュラムは、利用者のニーズに合わせて異なります。

生活訓練とは

生活訓練とは、障害のある方が自立した生活を送るために必要な支援を提供するカリキュラムのことを指します。

日常生活に必要な能力を身につけ、食事や家事、コミュニケーションなどのスキル向上を目指します。個々に必要な能力に応じて変更・調整され、自治体の支援などを受けながら実施されるのが特徴です。

機能訓練とは

機能訓練とは、身体機能の向上を目指すカリキュラムで、障害や疾患による身体的な制約を克服するためのリハビリテーションを行います。

理学療法士や作業療法士による個別指導で、歩行や日常動作、会話能力などを強化し、生活の質を向上させるのが特徴です。

生活訓練と機能訓練の違い

生活訓練と機能訓練の違いは何でしょうか。

端的に言えば、生活訓練は日常生活に即したスキル獲得に焦点を当て、機能訓練は身体機能の回復や向上を優先的に取り組んでいます。

生活訓練は、障害のある方が日常生活で必要なスキルや能力を向上させることを主眼としています。
例えば、食事・家事・コミュニケーションなど、生活において必要とされる技術や知識を習得してもらうことなどが挙げられるでしょう。

一方、機能訓練は身体機能の向上を重視しています。
理学療法士や作業療法士によるリハビリテーションを通じて、身体的機能を改善し、日常生活での自立を促します。

以降この記事では「生活訓練」について記載していきます。自立訓練(機能訓練)に関しては、こちらの記事にて詳しく解説しておりますので、併せてお読みください。

自立訓練(生活訓練)のプログラム内容

自立訓練(生活訓練)には主に6つのプログラムが存在します。
ここでは、6つのプログラムそれぞれについて解説していきます。

  • 日常生活系プログラム
  • メンタル系プログラム
  • コミュニケーション系プログラム
  • レクリエーション系プログラム
  • ビジネス系プログラム
  • セラピー系プログラム

日常生活系プログラム

日常生活系のプログラムは、食事や家事、交通機関の利用など、日常生活に必要なスキルを獲得することを目指します。

金銭管理や生活リズムの整え方、会話能力の向上など、生活のクオリティ(QOL)を高めるためのトレーニングが特徴です。

メンタル系プログラム

メンタル系のプログラムは、ストレス管理や感情のコントロール、コミュニケーションスキルの向上など、精神的な側面をサポートするプログラムです。

リラクゼーション法やストレス軽減の方法を学び、自己肯定感などを高めるトレーニングを行います。

コミュニケーション系プログラム

コミュニケーション系のプログラムでは、会話やスキンシップなどのスキルを向上させることを目的とする場合が多いです。

テキストを活用したシミュレーションや、簡単なグループディスカッションを通じて、適切なコミュニケーションのあり方や、相手との円滑な関係の構築を習得します。

レクリエーション系プログラム

レクリエーション系のプログラムについては、フィールドワークなどを通じてリラックスやストレス解消を促進するための活動が主となります。

スポーツや散歩などの身体活動や、ボードゲームや工芸などの趣味を通じて、楽しみながら心身のリフレッシュを図ることが目的です。

また、グループ活動を通じて社会的なつながりを育み、チームワークの大切さを学ぶことも目指します。

ビジネス系プログラム

ビジネス系のプログラムでは、就労に向けた準備やビジネススキルの向上を目指します。

パソコン操作やビジネスマナーのトレーニング、履歴書の書き方や面接対策など、就活活動や職場で必要なスキルを学びます。

また、実践的な経験を積ませながら、自信を持って職場で活躍できるようにサポートする必要があり、やや高度なプログラムといえるでしょう。

セラピー系プログラム

セラピー系のプログラムでは、心理的な支援や心の健康を育むためのサポートを行います。

認知行動療法や心理療法、アートセラピーなどの手法を用いて、利用者のストレスや不安の軽減、問題解決の支援を行います。

利用者の心の健康をサポートし、心身のバランスを整えることを目指すのが特徴です。

自立訓練(生活訓練)の利用料

自立訓練(生活訓練)の利用料は、利用者の世帯所得に応じて決まります。
具体的な料金は、利用者や家族の収入・家族構成、生活状況などをもとに計算され、利用者ごとに決定されます。

一般的には、収入が高い世帯ほど利用料が高くなり、低所得世帯では支援を受けられる場合があるのが特徴です。
この制度は経済的に不利な立場にある人々にも、生活訓練の利用を促し、社会で活躍できることを目的とされています。
利用料の上限額は自治体によって異なりますが、所得に応じて設定され、自立訓練(生活訓練)を利用するための負担を軽減する仕組みがあります。

また、利用料の支払い方法についても、一括払いや分割払いなどの選択肢が用意されていることもあるのが特徴です。
利用者が支払う料金は、自立訓練(生活訓練)に必要な人件費・施設維持費などの費用に充てられ、適切なサービスのための財源となります。

自立訓練(生活訓練)の利用料は、障害の程度やサービス内容、利用者の状況などによって異なるため、金額の詳細は各自治体の福祉事務所や関連機関に問い合わせる必要があるでしょう。

また、利用者や家族が経済的負担を理由に自立訓練(生活訓練)を受けられない場合には、自治体が支援を行う制度が設けられていることもあります。

自立訓練(生活訓練)の利用方法

ここでは、自立訓練(生活訓練)の利用方法について紹介していきます。
利用方法の流れは以下の通りです。

  • 利用する事業所を決定する
  • 障害福祉サービスの支給申請を行う
  • 契約して利用を開始する

利用する事業所を決定する

自立訓練(生活訓練)を利用するため事業所を決める際には、何点か注意する必要があります。

まず、利用者の目標や目的に合ったプログラムか否かを確認することが挙げられるでしょう。

また、事業所の設備・スタッフの質や経験も重要です。口コミや評判、利用者の満足度などを事前に調査することも役立ちます。

さらに、事業所の場所やアクセスの便も考慮し、通いやすさも検討しましょう。
利用料やサービス内容、利用機関なども比較検討し、自身や家族の経済的な負担や利便性を考慮することが重要です。

事業所の訪問や相談を行い、施設の雰囲気やスタッフとの相性を確認しながら、さまざまなポイントを考慮して、最適な事業所を選定します。

障害福祉サービスの支給申請を行う

障害福祉サービスの支給申請が、自立訓練(生活訓練)を利用するためには必要です。注意点として、必要な書類や手続きを正確に把握し、提出期限を守ることが挙げられるでしょう。

また、障害の種類や程度、日常生活での必要支援を詳細に記載し、必要な補助具やサポート内容を明確に伝えることが重要です。書類の不備や漏れがないように、書類作成や記入の際には丁寧にミスがないようにしましょう。

さらに、申請後は審査結果を待つ間も、必要な手続きや準備を怠らず、施設の選定や利用開始の準備を進めておくことが大切です。

支給申請に関する疑問や不明点は、地元の福祉事務所や関連機関に相談し、適切なサポートを受けられることも把握しておきましょう。

契約して利用を開始する

契約して利用する際の注意点として、契約内容や利用条件を十分に理解し、曖昧な点がないか確認することが重要です。
特に利用料や支払い方法、利用期間、利用規約などについて詳細に確認しましょう。

また、契約書の条項や取り決めに納得がいかない場合は、遠慮せずに質問し、説明を求めることが大切です。
さらに、利用料の支払い方法や期限、解約に関する規定なども確認し、納得できる条件で契約を結びましょう。契約書の内容を把握し、利用開始前に契約の内容に同意した上で署名することが、特に重要なのです。

また、契約後は契約内容に従い、利用料の支払いや利用規約の遵守を守り、円滑な利用を目指しましょう。契約に関する不明点や疑問は、事業所の担当者に遠慮せずに質問することが大切です。

自立訓練(生活訓練)の対象者

自立訓練(生活訓練)の対象者は「入所施設や病院を退所・退院した方」「特別支援学校を卒業した方」そして「継続した通院により症状が安定している方」などが含まれます。

具体的には、日常生活において支援や訓練を必要とし、自立した生活を送るためのスキルや能力を向上させる必要がある障害を持つ方々が対象となります。

対象者は、日常生活においてさまざまな面で支援が必要であり、生活能力の向上や社会への参加を目指して、自立訓練(生活訓練)を利用するのです。

訓練を通じて、家事や食事などの日常生活スキルを身につけたり、コミュニケーション能力を向上させたり、社会生活への適応力を高めることが期待されます。

自立訓練(生活訓練)の利用期間

自立訓練(生活訓練)には、利用できる期間や例外も存在します。

例えば、自立訓練(生活訓練)の利用期間は通常2年間ですが、長期入院経験者などは最大3年間まで延長される場合があります。

利用者はこの期間内に訓練を受け、生活スキルを向上させますが、延長の条件は自治体により異なるため、事前の調査が必要です。

自立訓練(生活訓練)の事業所の種類

自立訓練(生活訓練)の事業所には主に3つの種類が存在します。
ここでは、3つの事業所それぞれについて解説していきます。

  • 通所型
  • 訪問型
  • 宿泊型

通所型

通所型は、利用者が事業所に通いながら、生活能力や社会参加のスキルを向上させるカリキュラムを受ける形式のものを指します。

日常生活における、さまざまな場面に焦点を当て、家事などをトレーニングし、自立した生活を送るための準備を行います。

訪問型

訪問型は、利用者の自宅やその周辺で、スタッフが訪問し日常生活のサポートや相談を行うタイプです。

利用者の目標に合わせて支援を行い、生活スキルの向上や無理なく社会参加できるように支援します。

宿泊型

宿泊型は、利用者が事業所に泊まりながら、生活能力の向上や社会参加のためのカリキュラムを受けるタイプです。

昼間は他のサービスを利用し、夜間は事業所で支援を受けながら生活スキルをトレーニングし、自立した生活を目指します。

自立訓練(生活訓練)と他福祉サービスの違い

自立訓練(生活訓練)は他の福祉サービスと内容が似通っていますが、その違いを理解しておくことは非常に重要です。
ここでは、自立訓練(生活訓練)とその他福祉サービスとの違いを解説していきます。

  • デイケアとの違い
  • 就労移行支援との違い
  • 就労継続支援との違い
  • 自立生活援助との違い
  • 共同生活援助との違い

デイケアとの違い

自立訓練(生活訓練)は、障害のある方が自立した生活を送るための能力を向上させる訓練を指します。

一方デイケアは、日中の時間を利用して利用者の生活支援やリハビリテーションを行う施設で、介護が必要な高齢者や障碍者が家族の介護負担を軽減するための支援を受けます。

就労移行支援との違い

就労移行支援は、雇用を目指し職業訓練や、職場適応能力の向上を支援し、就労を目標としたプログラムを行います。

就労継続支援との違い

就労継続支援は、障害を持つ方が安定した職場で働き続けるための支援を行うプログラムです。
職場適応や職業訓練、就労環境の調整などを通じて、自立した就労を支援するのが特徴です。

自立生活援助との違い

自立生活援助は、障害を持つ方が自宅で自立した生活を送るための支援を行うサービスです。
日常生活のサポートや介護、外出支援などを通じて自立した生活を支援します。

共同生活援助との違い

共同生活援助は、共同生活施設での生活をサポートし、共同生活のルールや社会性を学びながら、障害を持つ方の自立を促進する支援プログラムです。

日常生活のサポートや介護、外出支援などを通じて、自立した生活を送れるよう促します。

学研のWell-being LABOについて

学研のWell-being LABOは、公認心理師監修のオーダーメイドプログラムで、あなたにとっての「Well-being(良い状態)」の実現を目指します。

「何だかつまらない」「うまくいかない」と感じてしまうような、会社や社会の枠組みから逆算された社会参加や、企業への就労ありきの社会参加ではない、その人らしさ(特性・能力等)を活かした社会参加の実現を、利用者様と一緒に試行錯誤しながら支援しております。

ひきこもりだったAさん

どうにかアルバイトはできていましたが、人との関わりが精神的につらいことも多く、担当カウンセラーさんには仕事をセーブするように言われていました。そこからエンカウンターグループに参加して「人と安心して関わること」の訓練を続けた結果、1年後にはアルバイトを週3から週5日に増やすことができました!ずっと1人で行けなかったコンビニにも行けるようになったり、「人と関わるのが怖い」という感情や日常全般のストレスも減ったりして、行動量がめちゃくちゃ増えました!

鬱だったBさん

今まで、「働きたいけど働けない」という感情をなかなか周りに分かってもらえませんでした。Well-being LABOでは、無理をしないで通えた点が、自分にとってすごく良かったと思います。感情の共有ができたり、聞いてもらったりすることで、胸の中に抱えていた不安が徐々に和らいでいきました。今は生活訓練にも慣れ、就労継続B型での就労を目指しています。日常ではまだ不安はありますが、以前よりパニックになることが減ったのは自分の中の大きな成長です。

自閉症と診断されたCさん

自分はどう生きていったら良いのか?障害とどう付き合っていくのか?色々と悩んでも結局全てが分からないままでしたが、そういったモヤモヤを1つずつ話すことで、支援員の方と一緒に納得できる「答え」を探していけました。生活に関する訓練などもありましたが、悩みに寄り添ってくれたことが1番嬉しかったです。就労のチャレンジをして、“自分らしく生きる生き方”を前向きに探そうと思えました。将来のことはまだまだ不安もありますが、自分のことを理解してくれる人や場所があるだけで、今は力強く生きられる気がしています。

まとめ

このコラムでは、プログラムの内容や利用料、対象者、利用期間などを詳しく解説しました。

自立訓練(生活訓練)は、自分の生活や社会参加に不安を感じる人や、日常生活のスキルを向上させたい人にとって望ましい支援手段です。医療や福祉サービスとの連携や、自身の能力や限界を理解した上で適切なプログラムを選択できます。

自立訓練(生活訓練)を活用することで、利用者は自立した生活を送るためのスキルや自信を身につけることができますが、一方で過度な負担や無理なプログラム選択には注意が必要です。

自分のペースで取り組み、無理のない成長を目指すことを心がけましょう。

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