コラム

HSCの子供が不登校に。不登校になってしまう原因と親が出来るサポートについて解説

HSCの子供が不登校に。不登校になってしまう原因と親が出来るサポートについて解説 不登校

最近耳にする機会が増えてきたHSCという言葉。聞いたことはあるけど、詳しい内容はわからないという人も多いと思います。この記事ではHSCの基本的な知識から、HSCの子供と不登校の関連性、親が出来るサポートを詳しく解説していきます。

HSCとは

HSC(Highly Sensitive Child)とは、アメリカの心理学者エレイン・N・アーロン博士によって提唱された、「周囲の環境に影響を受けやすい特性を持った子供」のことを指します。

1、特長

環境からの影響の受けやすさには個人差があり、同じ環境で過ごしていても周りからの影響を受けやすい人もいれば、受けにくい人もいます。これを環境感受性と呼び、環境感受性の高いHSCの子供には以下のような特性が見られます。

○プロセスの処理が深い(Depth of processing)
少しの情報から多くを察することができ、周りの空気を敏感に感じ取れ、慎重に考える

○刺激を強く受けやすい(being easily Overstimulated)
感覚が鋭く、匂い、音、触感など刺激の影響を大きく受ける

○感覚的な反応が強い(Emotional responsiveness)
ポジティブな感情もネガティブな感情も大きく感じ、他人の感情にも共感しやすい

○ささいな変化に気づく(empathy and sensitive to Subtle stimuli)
人の変化、周囲の環境のちょっとした変化に気づきやすい

これらの頭文字を取ってDOES(ダズ)と言われ、HSCの子供にはこの4つの特性があると言われています。

このような特性があることで、「ちょっとしたことに敏感」であったり、「他の子供よりも色々なことが気になりやすい」という個性に捉えられますが、「良くも悪くも環境からの影響を受けやすい」ということが本質であり、HSCだからといって必ずしも学校が苦手な訳ではないということも知っておく必要があります。

2、発達障害ではない

HSCは医学的な診断名ではありません。それは、環境感受性は生れつきのもの、育っていく環境で影響を受けていくものの相互作用によるもので、全人類の30%ほどが環境感受性が比較的高いという研究結果もありますが、それらすべてをHSCとすることが適切でないとされているからです。

HSCの子供はネガティブな環境下では発達障害の子供と同じように、泣いたり暴れたりする場合もありますが、発達障害は脳の発達や機能に関連する疾患や障害に起因するものですので、HSCとは全く異なる概念で定義されています。

HSCの子供が不登校になってしまう理由

「必ずしも学校が苦手なわけではない」と前述していますが、学校の様々な刺激に耐えられずに、結果不登校になってしまうHSCの子供がいることも事実です。ここでは、HSCの子供がその特性から不登校になってしまう理由を見ていきます。

1、集団生活、集団行動が苦手

HSCの子供は環境が変わることで多くの刺激を受けてしまいます。例えばクラス替えで新しいクラスメイトと過ごすことになる新学期や、教室が変わって今までと違う環境になることで、たくさんの情報を処理する必要がでてきます。

他にも運動会、発表会など人から注目されて何かをすることもプレッシャーとなり、実力を発揮できずに落ち込んでしまいます。これらの要因から、集団の中にいると疲れてしまうことが多いと言えます。

2、周囲の出来事に敏感

環境感受性が高いと、必要以上に周囲の空気を読んでしまうことがあります。例えば先生に誰かが叱られている時や注意を受けている時、その声の大きさや言い方によっては叱られている本人よりもネガティブな影響を受けるかも知れません。

また、テストやスポーツなど、結果を期待されていると感じた時、それに応えられないことで必要以上に落ち込んでしまう可能性も否定できません。

3、環境からの刺激が多い

学校では様々な刺激を常に受け続けます。授業中に黒板に文字を書く音、誰かの咳払いやくしゃみなど、校庭でおこなわれている体育の授業、音楽室からの唄声のように聴覚に訴えるもの、給食の匂い、美術で使う絵の具や理科の授業の薬品の匂いなど嗅覚に訴えるもの、他の人には気にならないものでも、HSCの子供には常に大きな刺激となって襲い掛かります。

またそれを誰かに相談しても、HSCを知らない人にとっては「気にしすぎ」としてしか認識されないこともありますので、自分の感覚を認めてもらえないことで自信を無くしてしまいます。

親が出来るサポート

前項で見てきたように、HSCの子供は学校に通うことで極度に疲労してしまう可能性もあります。ここでは不登校になってしまったときに、親がどう向き合っていけば良いのかを解説していきます。

1、HSCを知る

まずはHSCについて正しい知識や対応の仕方を知りましょう。まだまだ世間一般の認知が追いついていない部分もありますし、間違った情報が拡散されている可能性もあります。

専門家に相談するなどして、正しく環境を整えることで、HSCの子供は特性が良い方向に作用して、本来の力を発揮できるハズです。

2、無理に登校させない

子供が学校が辛いと感じている場合、無理に登校させるのは良くありません。辛いと感じる原因をしっかり把握して、悩みを解消してあげることが必要です。

苦手に感じていることは一人一人違いますし、本当にささいなことかも知れませんが、それをしっかり受けとめてあげることで、子供の安心にも繋がります。

3、保護者が不安やストレスを溜め込まない

HSCの子供は周囲の変化を敏感に察知してしまうので、子供が不登校になったことでの親の不安な気持やストレスが伝わってしまうことも考えられます。

出来るだけ溜め込まず、周囲に相談したり、孤立しないように気をつけましょう。

4、環境を整える

学校に相談して環境の調整をしてもらうことも重要です。情報を共有する事で解決策が見えてくる可能性もありますし、席の移動や教室での過ごし方、行事への参加の仕方を変えるなどで状況が変わることも考えられます。

また、先生と親が自分のことを理解してくれているということが、子供に取っては大きな安心感に繋がると言えるでしょう。

5、日頃の接し方で自己肯定感を育む

日々の生活の中で、安心や自信につながる「自己肯定感」を育むような接し方を意識すると良いでしょう。

例えば、「子供の感じ方を否定せずに受け入れる」、「強い口調で叱らない」、「出来ないことよりも出来ていることに注目し、過程も褒めていく」、「どんなことがあっても味方だと伝える」など、ちょっとした接し方の工夫で自己肯定感は育めますので、是非取り入れてみてください。

まとめ

HSCについて詳しく解説してきましたが、決してネガティブな特性ではありません。環境の調整で生きやすいように工夫することは十分可能です。

まだまだ世間一般の認知が追いついていない特性ですが、しっかり理解して、向き合っていくことで、いい方向に進むことが出来るはずです。

WILL学園ではHSCや発達障害など様々な個性を持った子供たちのサポートもしています。まずはお気軽にご相談ください。

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