少子化とともに学校の在り方や勉強の仕方も多様化が進み、様々なスタイルの高校が存在するようになった昨今、通信制高校の人気が高まっているのをご存知でしょうか?この記事では、通信制高校の特徴と全日制高校との違い、向いている子供の特徴まで、詳しく解説していきます。
通信制高校の人気率が向上
2024年度の「都立高校志望予定調査」が都内公立中学校609校に在籍する中学3年生78,108人を対象に行われ、その結果が東京都中学校長会進路対策委員会より発表されました。その情報による進学先の志望率は次のようになっています。
○全日制の都立高校(昼間定時等除く) 63.29% (前年度63.54%)
○国立、私立、他県公立 24.6% (前年度25.21%)
○都立以外の通信制高校 4.71% (前年度4.26%)
全日制の都立高校への進学志望は2017年度の71.15%をピークに下降が続いており、国立、私立、他県公立高校への進学志望も前年度よりも下降傾向にあります。その中で都立以外の通信制高校の進学志望は前年度より0.45%増加し、徐々に人気が高まってきていることがわかります。
通信制高校と全日制高校の違い
では通信制高校とは具体的にどういった特徴を持った高校なのか、全日制高校と比較して違いを見ていきましょう。
通信制高校とは
通信制高校とは、単位制を採用しているので毎日通学をする必要が無く、通常では高校卒業に必要となる「対面授業」の時間の大部分をレポート提出やメディア視聴報告などで免除し、残った25単位(11~12科目)、20時間程度を「スクーリング」という対面授業で行う、主に自宅で「通信教育」を主体とした学習をおこなう高校のことです。
全日制高校は基本的に平日は毎日決まった時間に通学し、集団で授業を受けますので、それと比較すると自分の決めたペースで通学でき、勉強のペースや方法も自分で決められる、自由度が高い形態なのが特徴と言えます。また、スクーリングの方法は学校によってさまざまですが、多くの場合3年以上の在籍で卒業でき、「サポート校」を活用すると卒業しやすくなってきます。
通っている人は学校の勉強以外にやりたいことがある人、不登校になった経験がある人、発達障害、起立性調節障害や過敏性腸症候群などの自律神経失調症を患っている人、一度社会に出たが、もう一度学びなおしたい人など多種多様です。その色々な生徒を受け入れてきた経験から、不登校の改善のノウハウがあると言えますし、卒業後は学校によって難関大学進学に強いところもあったり、就職や専門学校に通う人もいます。
全日制高校との違い
大きな違いとしては、まず「通学の形態」が挙げられます。全日制高校は平日は毎日同じ始業時間に合わせて通学するのに対し、通信制高校は「スクーリング」以外は自宅で郵送されてくる教材やパソコンのオンラインを使って学習することになります。
次に、全日制高校は1年生、2年生と1年ごとに進級し、3年生を修了することで卒業できる「学年制」を採用していますが、通信制高校は学習によって修得できる「単位」を必要な分だけ修得することで卒業できる「単位制」を採用している部分も大きな差です。この為、通信制高校では「留年」という制度もありません。学年制では一定の成績や出席日数が進級の条件になりますが、単位制では足りなかった単位のみ再修得すればいいので、「留年」という仕組みは必要がないからです。
その他にも大きな違いとして通信制高校ならではの、基本科目以外の「学習コースの多様化」が挙げられます。多様化するニーズに応え、様々なタイプの通信制高校が存在していますので、それぞれ魅力的な授業内容を取り入れているのも全日制高校との違いと言えます。
通信制高校に向いている子供の特徴
全日制高校と比較しての特徴に関してはおわかりいただけたと思います。ここからは通信制高校に向いている子供の特徴を紹介していきます。
集団行動や時間に縛られるのが苦手
全日制高校は毎日同じ時間に通学しなくてはなりませんし、クラスの人数も多く、授業を受けるのも集団です。集団行動が苦手だったり、病気で欠席しがち、起立性調節障害で朝起きることが難しい人などはそれだけで苦痛を感じてしまいます。
通信制高校であればスクーリング以外は自宅学習となりますので自分のペースで学習を進めることができ、集団行動の必要もありません。不登校の経験者や外出が苦手な人、いじめを受けた経験があり、人と距離を置きたい人などにも向いていると言えます。
勉強の他にやりたいことがある
例えばスポーツを専門的に取り組みたい人や、絵画や音楽などの芸術、役者やタレントなどのエンタメ系だったりと普通科目の勉強以外のことを生活の中心に持ってきたい人は、自由にスケジューリングが可能な通信制高校が向いているといえます。
もちろん高校卒業の資格も取得できるので、有効的に時間を使うことができれば目標に向かって最短ルートを歩むことも可能です。
働きながら高校卒業の資格を取りたい
勉強のペース配分が自由でスケジュールを自分で管理しやすいので、アルバイトなど働きながら学費を自分で負担して高校卒業の資格を取得することも可能です。
早く親元を離れて自立したい人や、一人で生きていける生活力を身に着けたい人、もちろん一度社会に出てから学びなおしたい、という人にも有効な選択肢と言えます。
普通科目以外の学びを深めたい
多くの通信制高校では卒業に必要な普通科目の授業だけでなく、美容、芸術、ダンス、医療、保育など様々な分野の専門コースを設けています。興味があることはもちろん、新たな出会いとして興味を持てる分野の発見につながる可能性もあります。
新しく興味を持てる分野に出会えれば、そこから将来の職業に選択肢が広がるかも知れません。
このように子供の特徴や目的に合った通信制高校を選ぶことができれば、全日制高校に通うよりも有意義な時間を過ごすことが可能です。自由な分、自己管理が難しかったり、なかなか友達を作れないなどのデメリットもありますが、そこは学校の選び方を工夫することで解消できるでしょう。
まとめ
通信制高校の人気が上昇している実情から、その特徴や向いている子供の例を見てきました。人気が上昇しているのも頷けると思います。
大人数の集団が苦手に感じるなど、無理に耐えるようなことがある場合は、通信制高校も視野にいれてみましょう。学びにおいても多様性を受け入れる、今の時代に合った選択肢と言えます。
自由に時間を使いながら高校卒業の資格も取得可能な通信制高校。子供の特性と照らし合わせて検討してみてはいかがでしょうか。
WILL学園は通信制高校と連携しているので、卒業資格も取得可能なだけではなく、大学受験や就職などその後の進路もサポートしていきます。是非お気軽にご相談ください。
WILL学園 公式Instagram
「思春期・反抗期・不登校」に関する”子育てノウハウ”を発信しています!ぜひ遊びに来てくださいね!