不登校の児童生徒は年々増加傾向にあり、今や深刻な社会問題となっています。不登校の問題はひとりひとり違うので、保護者や家庭内だけで解決するのは難しく、様々な支援が広がっています。この記事では不登校支援について詳しく解説していきます。
不登校支援とは
不登校は年々増加傾向にあり、今や深刻な社会問題としてメディアなどでも取り上げられることが増えています。文部科学省が公表した2022年度の不登校の児童生徒数は約29万9千人で、10年連続で過去最多を更新しています。その増加スピードは著しく、この2年間で約10万人も増えました。
不登校の原因は一人ひとり異なり、様々な環境や状況、子供の心理状態から生じます。自身を守るため、心の疲れを癒すために不登校を選択する子供も多く、保護者が強引に学校へ行かせることはできません。子供の状態に配慮しながら生活する保護者には大きな負担がかかり、場合によっては共倒れの危険もあります。
不登校支援とは、不登校の児童生徒を保護者だけで支えるのではなく、学校や教育委員会、関連機関と連携してサポートする取り組みです。これにより保護者の負担を軽減し、子供が学校に戻るきっかけを作ります。
不登校支援のサポート内容とは
文部科学省は、不登校の児童生徒への支援を「学校に再び登校する」ことだけを目指さず、児童生徒が主体的に進路を考え、社会的に自立することを基本方針としています。通っていた学校に復学するだけが解決策ではなく、ホームスクールや通信制教育機関なども選択肢に含め、社会的自立を目指して継続的な支援を行います。
支援内容は対象者に合わせた適切なものであることが重要です。学校と関連機関が行う支援事業の具体的な内容を紹介します。
カウンセリングと心理支援
カウンセラーや心理士と連携し、不登校の原因や背景を理解し、心理的な問題を解決します。
教育支援
個別指導や学習支援を行い、オンライン指導や自宅学習のサポート、学習計画の立案などを行います。
保護者支援
保護者が不登校を正しく理解し、情報や対応方法を共有できるよう支援します。4、コミュニティサポート
地域の支援機関や団体と連携し、地域社会のリソースを活用した包括的な支援を行います。
スキルトレーニング
グループセッションやアクティビティを通じて社会的スキルやコミュニケーションスキルを強化し、自己肯定感や協調性を高めます。
不登校支援を行う機関
不登校支援を行っている代表的な団体を公的機関と民間の施設・団体に分けて紹介します。
公的機関
在籍校
最も身近な支援として、現在在籍している学校でも不登校支援が受けられます。担任の先生をはじめ、不登校専門の窓口やスクールカウンセラー、ソーシャルワーカーが在籍している場合もあります。
教育相談所
教育委員会が都道府県や自治体に設置している施設で、臨床心理士が在籍している場合もあります。不登校だけでなく、子育てや教育関連など幅広く相談が可能です。
児童相談所
児童福祉法に基づき設置されている行政の機関です。児童福祉士、保健師などが在籍する場合もあり、幅広い支援が可能です。
不登校特例校
国が設置していて、不登校の子供に合わせた特別なカリキュラムを提供する学校です。設置数は少ないですが、今後全国的に増設の予定です。
適応指導教室
それぞれの市町村の教育委員会が管理・運営している施設で、不登校の小中学生を対象に居場所を提供し、在籍校への復帰を目的として設置されています。集団生活への適応、情緒の安定、基礎学力の補充、基本的生活習慣の改善などの相談や適応指導を行います。
引きこもり地域支援センター
厚生労働省が設置し、電話相談も能です。不登校、引きこもりの相談も行います。
通信制の学校
通学頻度を選べるタイプや、オンライン学習がメインで年に数回通学するタイプがあります。
民間の施設、団体
フリースクール
不登校の子供の居場所として、個人や民間企業、NPO法人が運営する教育機関です。入学資格がなく、異なる学年や年齢の子供が集まり、決まったカリキュラムがないのが特徴です。子供の自主性を尊重し、自由な学びの場として活動しています。
全国にキャンパスを構えるWILL学園中等部では安心できる居場所として、不登校の中学生の受け入れをしています。一人ひとりに合った学習方法と登校ペースが選べるので無理なく通うことができます。
学習塾
コロナ以降、学習塾の多様化が進み、集団指導、少人数制、個別指導、在宅訪問、オンラインなど様々な形態が存在します。不登校の子供を受け入れている塾もあり、勉強の遅れを家庭内だけで解消するのは難しいため、学力の維持・向上には良い選択肢と言えます。
不登校の親の会
不登校の子供を持つ親が集まっているコミュニティです。悩みや情報を共有したり、体験談からアドバイスが受けられるなど、親の孤立防止に役立ちます。
まとめ
不登校支援は年々増加しており、誰が不登校になってもおかしくない時代です。真面目で成績がいい子、運動が得意で友達の多い子、昨日まで元気に通学していた子供が急に学校に行けなくなることもあります。
この現実を国も重く受け止め、様々な施策やサポートを行っており、それを補完する形で民間の施設や団体のサポートも充実しています。
重要なのは「一人ひとり必要なサポートが異なる」ことです。子供としっかり向き合い、どんなサポートが必要かをみんなで考えていきましょう。
WILL学園は学研エル・スタッフィングが運営する、新しいタイプの通信制サポート校、フリースクールです。多くの子供たちを受け入れてきた経験から、適切なアドバイスをさせていただきます。一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。
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