コラム

中学生の子供が引きこもりに。中学生特有の理由や親がすべき対応について解説

中学生の子供が引きこもりに。中学生特有の理由や親がすべき対応について解説 ひきこもり

引きこもりとは

引きこもりとは、社会的な活動や、人との交流を極端に避け、長期間家や部屋の中に閉じこもる状態を指します。一般的に心理的な問題、精神的な苦痛、社会的な不安、対人恐怖、過度のストレスなどの特定の理由によって引き起こされ、この状態が数か月から数年続く場合もあります。

厚労省では引きこもりを「様々な要因の結果として、社会的参加を回避し、原則的には6か月以上にわたっておおむね家庭内にとどまり続けている状態を指す現象概念」と定義しています。

引きこもりの特徴には次のようなものがあります。

1、家や部屋からほとんど出ない。あるいは全く出ない
2、学校や職場を放棄する。あるいはそもそも進学や就職をしない
3、家族や友人との社会的な交流を極端に避ける
4、1日の大部分を一人で過ごす
5、規則正しい日常生活が送れなくなり、生活習慣が乱れる

引きこもりは一般的に若年層に多く見受けられますが、年齢や性別に関係なく発現する可能性があります。この状態が続くと、精神的な問題や社会的な孤立、経済的な影響などが深刻化するリスクがあります。出来るだけ早い段階で適切な支援を受ける必要があります。

中学生が引きこもりになってしまう理由

中学生が引きこもりになってしまう理由は様々で、人によって違うのはもちろんです。しかし、中学生という年代特有の原因もいくつか考えられるので、代表的なものを見ていきましょう。

1、勉強や学校生活への不安やストレス

小学生と比べ、中学生は学業の負担が一気に増え、学校での人間関係も複雑になってきます。高学年になると高校受験も視野に入ってくる時期なので、人によってはストレスを大きく感じてしまいます。

勉強が上手くいかなかったり、人間関係にトラブルがあったりすると、自己否定感が強くなってしまう場合があり、学校へ行くことを避けるようになってしまいます。

2、家庭内の問題

家庭内の不和だったり、親との関係の悪化、不安定な家庭環境などが原因で引きこもりになってしまう中学生の事例もあります。

家が安心して過ごせる場所でないと、外へ出て勉強したり社会的なコミュニケーションを取るエネルギーが不足してしまい、自室にこもって外界との接点を持たなくなってしまう可能性があります。

3、障害、精神的、心理的な問題

発達障害の中には、軽度で診断が難しい場合も多く、他の同級生と同じように勉強や日常生活ができないことから心を閉ざしてしまうこともあります。

また、不安障害やうつ病などの精神的な問題がある場合、自己肯定感が低くなってしまい、他者との関わりを避けるようになります。

4、社会的な適応困難

思春期真っ只中である中学生は、自己認識や社会的適応が進行する時期です。些細な事で周囲とトラブルになったり、不安を抱えてしまう可能性があります。

同級生や先生の何気ない言葉や行動、上手くグループに入れなかったり、苦手意識を持ってしまったり。人によっては対人関係が極度のストレスになる場合もあります。

5、ネットやゲームへの依存

インターネットやゲーム、スマートフォンなど、自分で自由に使える物が増える中学生の時期は、これらに没頭しやすい環境でもあります。

現実から離れて没頭しつづけてしまうと、それらへの依存が強くなり、生活習慣が悪化、昼夜逆転や現実逃避などが起こります。長期化してしまうと引きこもりの原因となってしまいます。

代表的な引きこもりの原因を見てきましたが、場合によってはいくつもの原因が複雑に絡み合い、本人が気づかないところでも影響を及ぼしている場合もあるので、注意が必要です。

親としてどのように対応すべきか

中学生が引きこもりになってしまう原因はおわかりいただけたと思います。では、自分の子供が引きこもりになってしまった時、親としてどう対応していけば良いのか。順番に見ていきましょう。

1、引きこもりになったことを責めない

引きこもりは誰にでもなる可能性があり、決して怠けているとか甘えている訳ではありません。もちろん子供も学校に行かないことが悪いことという認識を持っていますし、「行きたくても行けない」という状態にあることを理解してあげましょう。

必死に戦っているのに、一番近い存在の親から責められてしまっては、状態が悪化する可能性もありますので、まずは今の状態を受け入れてあげることが必要です。

2、子供が安心できる環境を作る

引きこもりになった子供は様々な不安を抱えています。学校に行けないことで孤独感も強く感じていることでしょう。孤立して、先のことも考えられない状態にある訳ですので、進学や就職のこと、そもそも外に出れるようになるのか、という不安に押しつぶされそうになっています。

こんな時、親がやるべきことは叱咤激励して応援することではなく、安心して過ごせる「居場所」を作ってあげることです。

もちろん親は子供のことを思って「頑張れ」という言葉をかけるのですが、すでに頑張ってどうにもならなかった子供にとってみたら、とても安易な言葉に聴こえ、ともすれば「自分のことを考えてくれていない」と感じてしまうかも知れません。

子供が安心して過ごせる環境を作ってあげれば、親子のコミュニケーションも自然と増え、自然と頼ってくれるようになります。悩みやこれからのことを相談してくれるようになれば、絆は強くなり、一緒に乗り越えていけるでしょう。

3、子供を一人の人間として尊重する

大人の視点から見たら、引きこもりの子供へのアドバイスは沢山あるかも知れません。今までの経験や一般論などから、引きこもりを改善するには、という観点で「こうしたほうがいい」という発想は出てくると思いますし、子供の為を思って口を出したくなるのもわかります。

ですが、引きこもりに実際なっているのは子供であり、子供には子供の世界があります。子供の価値観や選択を頭から否定するのではなく、まずは尊重するように心がけてください。

4、家庭、親子だけで抱え込まない

引きこもりは世間体を考えたら、他の人に知られたくない事実かも知れません。ですが、内々で抱え込んでしまうと、有益な情報も得られませんし、どんどん疲弊していってしまいます。

前述のとおり、引きこもりは珍しいことではなく、誰でもなる可能性がある時代です。専門の支援機関や団体など沢山あります。

情報を集め、自分の子供や家庭に一番合った支援を受けられる機関を探すことが、次の一歩に進む近道になることでしょう。

まとめ

中学生は多感な時期です。昨日まで元気に登校していた子供が、急に学校に行けなくなることは珍しいことではありません。勉強が出来る子、スポーツが出来る子、友達が多い子、だれでも引きこもりになる可能性があります。

大切なのは、子供としっかり向き合い、子供一人一人に合った対応、支援をおこなって行くことです。

WILL学園は訪問型の支援もおこなっています。少しずつ慣らしながら学校復帰できるように、豊富なコースと通い方を用意してサポートします。いつでもお気軽にご相談ください。

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