通信制高校について調べていると、「サポート校」という言葉を目にすることがあると思います。よく見かけるけれど具体的な知識が無いという方の為に、この記事ではサポート校の基本的な知識、通信制高校との違いや、通うことで得られるメリットとデメリットを紹介します。
サポート校とは
サポート校とは、通信制高校に通う生徒が勉強面や精神的な面でサポートを受ける民間の施設です。様々な形態がありますが、通信制高校と連携して生徒を支援することで、無事に卒業できるよう、次のように環境を整えます。
1、学習支援
通信制高校で提供される授業内容や教材を補完し、一人一人に合わせた補習や個別指導をおこないます。
2、進路指導
生徒の希望に合わせたアドバイスや、希望進路の情報提供、受験対策などをおこないます。
3、生活指導
学校生活や日常生活の問題や悩みの相談を受け、解決に向けたサポートをします。
4、交流の場の提供
同じような環境で学ぶ生徒同士の交流の場を提供し、友人関係の構築や社会性、コミュニケーション能力の向上を図ります。
このように、サポート校は多様なニーズに応じて柔軟に対応することで、生徒が安心して学び、自己実現を目指せるようサポートしていきます。通信制高校と混同されがちですが、全く異なる施設です。
通信制高校との違い
前項ではサポート校についてお伝えしましたが、ここでは通信制高校との違いをポイントに沿って解説していきます。
1、高校卒業の資格
通信制高校とサポート校の大きな違いは、高校卒業の資格を取得できるか否かです。
通信制高校は学校教育法で「高等学校」であると認可されています。スクーリングやテスト、レポートの提出などの卒業要件を満たすことで、高校卒業の資格を取得することができます。
一方、サポート校は学習支援施設ではあるものの、「高等学校」であると認可をされてはいないので、単独で通っても高校卒業の資格を取得することはできません。
前項でも触れましたが、サポート校は通信制高校に通う生徒に勉強面や精神的な面でサポートをおこない、最短期間(転入生などの場合は1年で卒業などもあるため)で卒業できるように単位取得や進級に必要な勉強、精神面での支援をおこないます。学校と塾・予備校の中間に位置していると考えるとわかりやすいでしょう。
通信制高校のみに通う、いわゆる「一般生」の場合、勉強や進学・就職のための準備は全て独学で行わなくてはなりません。レポートなどの提出期日が守れずに挫折してしまったり、卒業までに時間がかかってしまうケースも多く、5年でやっと卒業できたという事例や、最初の在籍校では2年在籍して取得単位がゼロ、転学後のサポート校で4年かけて卒業ができたという事例も存在します。そうなってしまわないために学習面、精神面、生活面でサポートし、最短期間で卒業できるようにするのがサポート校の役目です。
2、費用
運営母体や施設のコンセプト、コースの種類などによってかかる費用は大きく異なります。目的とするサポート内容や通いやすさなどを念頭に、それぞれの施設に費用を確認するようにしましょう。
通信制高校は公立と私立で学費が違います。公立では1単位200円〜、私立では通学タイプで1単位5000円〜となっていますが、国や自治体からの補助(家庭の課税額に応じて、高校に就学する全ての人が対象になる国の就学支援金と、その都道府県に住んでいる人だけが対象になる自治体からの就学支援金といった2種類)もあるので、経済的負担は抑えられることが多くなります。
一方、サポート校は通信制高校と同時に利用することになるので、両方の学費が必要となります。
通信制高校としての学費には就学支援金が適用されますが、サポート校の学費は塾・予備校扱いとなるため、通い方や内容にもよりますが、平均30万円〜100万円程度の費用がかかります。
費用はかかるものの、前述の通りサポート校を利用しない場合、途中で挫折してしまったり、卒業に時間がかかると、結果ダブルスクール以上の学費がかかる例も少なくありません。必要なサポートを受け、最短で高校卒業を目指すのための良い選択肢と言えるでしょう。
3、運営母体
通信制高校は認可された高等学校であるため、一般的な全日制高校と同じく公立と私立が存在します。以前は全日制や定時制高校と併設されていることがほとんどでしたが、近年の需要の高まりから、独立した通信制高校も多く設立されています。
一方サポート校は様々な機関や組織が運営しています。代表的なものを紹介します。
○学校法人や株式会社
通信制高校を運営している法人がサポート校も運営することで、連携しています。
○予備校や学習塾
大学受験予備校などが運営し、学習支援や試験対策の側面から進学を支援しています。
○サポート校専門
カウンセラーが常駐し、気軽にカウンセリングを受けることが出来るなど、精神的サポートが充実しています。
○専門学校
美容、芸術や映像制作などの専門的な知識や技術の修得が可能で、様々な職業体験もできます。
このように、運営母体によって様々な特色があり、提供されるサービスも様々です。必要なサポートや学びたい分野などから自分に合ったものを探すことが重要です。
サポート校に通うメリットとデメリット
実際に通うことで得られるメリットとデメリットを考えてみましょう。
メリット
1、交流の機会が持てる
サポート校に通学することで、同じ境遇の同級生同士や異学年の生徒、先生やスタッフなど、打ち解け合える仲間と交流することができます。
2、一人一人に合わせた学習のサポートが受けられる
少人数制や個別指導を通じて、勉強の進度や理解度に沿って、適切なフォローを受けられます。また、サポート校で学習計画を作成することで、それに沿って効率の良い勉強の進め方ができます。
3、精神的サポートを提供する
不登校やいじめの経験がある場合にも対応できる環境があることや、登校のペースを調節できたり、自宅に先生が出張してくれるコースを選択できるなどのサポートが受けれます。
また、いじめの防止策が充実していたり、クラス分けの配慮、カウンセラーの常駐など様々な施策が取られています。
4、興味のある分野の勉強ができる
経営母体によって様々なカリキュラムが存在し、芸能や芸術、映像制作など、普通の高校では学ぶことのできない知識や技術を学べる学校もあります。
将来の目標や就きたい職業に出会える環境が整えられており、新しい分野に挑戦できるのも魅力です。
デメリット
1、サポート校のみでは高校卒業の資格を取得できない
サポート校単独では高校卒業の資格を取得できないこと、サポート校への通学は「スクーリング」の日数に換算されないことが挙げられます。そのため、サポート校入学と同時にサポート校が連携している通信制高校へ入学することが一般的です。
2、別途費用がかかってしまう
前述の通り、通信制高校の学費とは別に費用が発生してしまいますので、経済的な負担になる点ではデメリットと言えます。
コースの内容や通学の日数などによっても変わるため、希望の施設に問い合わせて確認しましょう。
まとめ
サポート校の概要と通信制高校との違い、サポート校通うことで得られるメリットとデメリットをお伝えしました。
費用面で悩まれる方が多いですが、費用はかかるものの、必要なサポートを受け、最短で高校卒業を目指すのために魅力的な内容と言えます。悩んでいる場合は、一度実際に見学会などに参加してみてはいかがでしょうか。
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