子供に学校生活や日常生活で困りごとがあるとき、発達障がいの可能性を疑うと思います。名前は知っているが知識が浅いという人の為に、この記事では発達障がいの基本的な知識から、その特徴、困りごとの例とその対策について、詳しく解説していきます。
発達障がいとは
発達障がいとは、生まれつきの脳機能の発達の偏りが原因で、社会生活に「困りごと」が発生する障がいのことを指します。
発達障がいがあると、周りの環境や人との関わりに上手く対応できなくなってしまいます。ですが、外見からはわからないので、自分勝手、ワガママ、困った子などと判断されてしまい、親の育て方が悪いとか、甘えているなどと批判されてしまうこともあります。
特性は十人十色ですが、困難さは特性に合った対応や環境の調整で軽減できると言われているので、子供本人と周りの人が特性や能力、希望を理解してサポートしていくことが重要です。
発達障がいの種類
1、自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder:ASD)
他の人の気持ちを理解することや会話などのコミュニケーションが難しい、表情から察することができないなどの「対人関係や社会的コミュニケーションの困難」と、特定の行動に対するこだわりや、音や光などの感覚刺激に対する偏った反応などによる「特定の物や行動における反復性やこだわり、感覚の過敏さまたは鈍麻さ」などの特性により、日常生活に困難を生じます。
知的障がいを伴うこともあり、症状の表れかたに個人差があることから診断を受ける年代は幼少期〜就職以降と幅広いです。
2、注意欠如・多動症(Attention-Dificit Hyperactivity Disorder:ADHD)
注意欠如・多動症(ADHD)は人の話を集中して聞けない、正確な作業が苦手、無くしものが多いなどの「不注意」、身体を絶えず動かす、じっと座っていられない、声を出すのを我慢できない、順番を待てないなどの「多動性」、「衝動性」の特性により、日常生活に困難が生じます。多動、衝動性の傾向が強いタイプ、不注意の傾向が強いタイプ、混在しているタイプとあり、これらの症状が12歳になる前に出現します。
これらの特性は幼児期の子供の行動と区別するのが難しいため、就学期以降に診断されることが多いと言われます。
3、学習障がい(LD)
学習の技能に困難さが見られ、読むことと内容の理解に対する困難さ、書くことの困難さ、数の理解や計算の困難さの3つの分類があります。
これがあくまでも「学習面のみの困難さ」であることが診断基準となり、知的障がいや経済的、環境的要因、神経疾患、視覚聴覚障がいによるものでないとされます。
就学期で診断されることがほとんどですが、就学前に発達の遅れから兆候に気づかれることもあります。
発達障がいの子供の特徴とは
前項で紹介した発達障がいをもっている子供には特有のサインや現れる症状があります。それぞれ見ていきましょう。
1、自閉スペクトラム症(ASD)の場合
障がいの程度や年齢によってさまざまですが、1、2歳ごろから「目が合わない」、「他の子に興味を示さない」、「発語が遅い」などの特徴があり、幼児期でも「一人で遊ぶことが多い」、「落ち着きがない」、「癇癪持ち」、「呼ばれても振り向かない」などが成長しても見られます。
また、感覚の偏りも現れることがあり、「人が多いところが苦手」、「強い光や大きな音を怖がる」などの傾向が見られます。
就学期では、他人と感情を共有したり、関係を構築することが難しく、「友達ができにくい」、「状況に合わせた立ち回りができない」などの特徴がみられ、社会にでると「仕事の優先順位がわからない」や「環境や状況に合わせた臨機応変な対応ができない」など社会的マナーや「暗黙の了解」などでトラブルに発展することもあります。
2、注意欠如多動症(ADHD)の場合
幼児期は誰にでもあるような「落ち着きがない」、「癇癪が強い」などの傾向がみられ、判別がつきにくいですが、成長に伴い「忘れ物が多い」、「勉強に集中できない」、「時間の管理ができない」、「気が散りやすい」など特徴が目立ってきます。
社会に出ても、「ケアレスミスが多い」、「順序だてが苦手」、「長時間同じ作業ができない」、「片付けが苦手」などの傾向が見られます。
3、学習障がい(LD)
就学期以前は成長の個人差として見られることが多いですが、小学校の普通科目の授業で「読むのが遅い」、「書いてある内容が理解できない」、「飛ばし読みをしてしまう」、「数の概念が理解できない」、「計算が極端に遅い」などの特徴が見られます。
就労期においても「マニュアルを読んでも理解できない」、「メモを取れない」、「計算が苦手でミスをしてしまう」など、業務に支障をきたす場合もあります。
学校生活で困った場合の対策
発達障がいの子供の特徴はおわかりいただけたと思います。では、実際に学校生活で困った場合、どのような対策が効果的でしょうか。見ていきましょう。
1、学校と連携する
担任の先生や学校のスタッフと定期的にコミュニケーションをとり、子供の状況や必要な支援について話し合います。子供の特性を理解し、共有することで適切な対応ができるようにしていきます。
例えば子供が授業に集中しやすいように、座席の配置変更や静かな場所の確保など、環境を調整したり、定期的なフィードバック、問題点などの共有から、子供が過ごしやすいよう支援します。
2、家庭でのサポート
学校でのフィードバックをもとに話し合い、困りごとを軽減できるような対応を考えます。例えば、忘れ物が多い場合は曜日ごとのチェックリストを作成したり、やることリストや家庭内での時間割など、視覚的に理解しやすい状況をつくることで、子供が自分で行動を整理しやすくなります。
3、自己表現を促す
自分の感情や困難を言葉で表現できるように支援し、困ったときに助けを求められるようにトレーニングします。
様々な状況設定に基づいて対応を考え、習慣づけていくようなトレーニングや、地域の交流会などを活用したソーシャルスキルトレーニングなども効果的と言えます。
4、カウンセリングや専門家の支援
スクールカウンセラーや、フリースクールなどの専門機関のサポートを受けることも有効です。特性に応じた正しい対処法や困りごとの軽減方法など、専門家ならではの知識とノウハウは大きな支援となります。
子供の特性に合わせた教育目標の設定や、必要な環境調整、支援計画の作成などのきめ細かい支援が期待できます。
まとめ
発達障がいの子供の特徴と対策について見てきましたが、周りの対応によって過ごしやすさの改善や、困りごとの軽減が可能です。
一人一人に合った適切な対応を取り、子供のいいところを伸ばしてあげることが重要です。
WILL学園は発達障がいの子供のサポートもしています。学校生活だけではなく日常生活のサポートもおこなっていますので、ぜひお気軽に相談してください。
WILL学園 公式Instagram
「思春期・反抗期・不登校」に関する”子育てノウハウ”を発信しています!ぜひ遊びに来てくださいね!